■真由美の音楽修行
初級 12
中級 1234
 初級編 その2
         

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初めての方でも、10日間で立派なハードロック・プログレロックの愛好家になれるように1970年代から課題曲を選んでみました。初級の後には、中級編も用意されています。


  Lesson 6:  空間・大きさを感じさせるアルバムを聞いてみよう。

   課題曲  《 EVERY GOOD BOY DESERVES FAVOUR 》

The Moody Bluesの代表作[童夢: Every good boy deserves favour]を聞いて、天地創造を意識したアルバムの雄大さを感じ取ってみてください。70年代のアーティストは、本当になんでもできるのです。時代が要求したのかもしれないが、優しいだけでもだめ、激しいだけでもだめ。みんなでクラシックを超えようと、新しい音楽を生み出していった。そういうすごさが分かるようになるまで、何度も聞いてみてください。One More Time To Live なんて、単語を叫んでいるように聞こえるかもしれないが、彼らの優しさに触れるときでもあるのです。


   課題曲  《 ATOM HEART MOTHER 》

ピンク・フロイドの[原子心母]を聴いてみましょう。アルバム・ジャケットを眺めながら、70年代を代表する電子サウンドを堪能してください。部屋は暗くして、携帯の電源は必ず切ること。部屋の中央に座って、ゆったりとした気持ちで静かに聴きましょう。この鼓動を胸に刻み込んだら、忘れないように、深呼吸してから息を止めてください。肺の中にピンク・フロイドの大きさが広がるまで、何度も深呼吸して、聴くこと。宇宙の果てが見えるようになったら、卒業です。ニュースグループも用意されています。



  Lesson 7:  元歌と聞き比べてみよう - ロックとクラシックの融合。

   課題曲  《 PICTURE AT AN EXHIBITION 》

いまでは、EL&Pのおかげで、プログレ・ロックのスタンダードになっているが、[展覧会の絵]といえば、ロシアが生んだ作曲家、ムソルグスキーが作ったピアノ曲。それをフランスの作曲家ラヴェルが、オーケストラ用に編曲して一躍有名になった。もとはピアノ曲、それもカテゴリーは上級編に属する。キース・エマ−ソンが叔母の勧めで、ピアニストになるため、音楽学校に通っていたのはご存じですか。つまり、彼はこのピアノ曲をひととおり習っていたはずなのです。オーケストラから入ると、しっくりいかないが、ピアノから考えると、EL&Pがこの曲を選んだのは、すごく自然。キースはこの曲の価値を十分に知っていたのです。印象的なプロムナードの後は、彼らの創造力を駆使して新しいサウンドを展開し、またプロムナードで、本流に引き戻すことができる。不連続な未来を象徴させる驚異のサウンドとでもいいましょうか。初級のみなさまは、とにかく聴いてみましょう、そしてそのすごさを体験してください。


  Lesson 8:  アメリカのアーティストも聞いてみましょう。

   課題曲  《 4 WAY STREET 》

プログレを極めていると、すごく疲れるのも事実。このあたりで、気分転換して、アメリカまで飛んでみましょう。初級の方にお薦めするのが、このライブ盤。楽しさが溢れています。CSN&Yと略していうことが多いが、David Crosby, Stephen Stills, Graham Nasy & Neil Youngという、4人のアーティストの頭文字をとって付けたグループ名。74年にはNeil Youngが抜けて、現在はCS&Nで、活動を続けています。二枚組のアルバムは、必ずDISC One から聞いてくださいね。音楽というものは、不思議なもので何十年前に聴いたことも耳が覚えている。うっかりCD を間違えて聞こうものなら、体が拒否反応を起こします。どんなに冗長に思えるアルバムにも流れがあるのです。だから始めが肝心。正しく二枚組を聞いて、流れを体にたたき込みましょう。特にこのアルバムは最初の一枚が、静かに優しく語りかけ、二枚目は本格的なロックに変わっていきますので、注意して聞いてください。


  Lesson 9:  やはり大御所もここで押えておきましょう。

   課題曲  《 JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND 》LYRICS

70年代のロックを語る前に、これだけは押えて置きたいアルバムを最後に紹介しましょう。ビートルズ解散後のジョン・レノンが、70年12月に発表したソロ・アルバム。ジョンの魂と邦題が付いているが、事前の知識はなくても、素直な気持ちで聞いてみましょう。気持ちよく目覚めた朝や、夕陽を眺めながら、ひとりで聴くことをお薦めします。歌詞も載っているので、余裕があれば、ジョンの才能にふれるのもいいでしょう。全身に流れているYOKO ONOへの愛は見逃さないように、チェックしたい。ジョンは変わったと納得させるだけの、真摯なメッセージが詰まっています。


   課題曲  《 STICK FINGERS 》

ストーンズの曲を一曲だけ選ぶのは、ほとんど不可能な話なのですが、70年代のロックを代表するという意味で、ストーンズ・レーベル第一弾のアルバムを紹介します。ストーンズが好きになるには、王道なし。とにかく聞き込むことです。レコードがすり減るくらい聞いていると、味わいが出てきて、こくのあるスープを飲み干したような満腹感が味わえます。ストーンズを聞いて、ハングリーになる方は、まだ修行が足りません。ミックとともにステージを縦横に踊りまわれるくらい、なんども繰り返し聞き込んでください。


  Lesson 10:  初級の最後の課題は映画鑑賞になります。

   課題曲  《 WOODSTOCK 》

1969年8月15日から3日間、ニューヨークの郊外で行なわれたウッドストックのコンサートは、あまりにも有名ですが、映画になっています。ウッドストックは70年代のロックの原点のようなものですから、ぜひ見ておいて欲しいと思います。ここには演奏された曲の一覧、アーティストたちの写真などが揃っています。その後サウンドトラック版として、CDも発売されています。40万人もの観客を動員して初めてのコンサートだったため、スケジュール表が予定と実際の二通 りあるのが愉しい。きっと、この三日間、観客も、アーティストたちも、そして主催者たちも、はらはらどきどきの連続だったことでしょう。こうして、いろいろと事前学習してから鑑賞すると、きっと理解が深まると思います。サンタナ、フ−、ジャニス・ジョプリン、ジョーン・バエズなど懐かしい顔がいっぱい。ジミ・ヘンがいつ登場するか、チェックしましょう。


   課題曲  《 ISLE OF WIGHT FESTIVAL 》

ウッドストックと来たら、ワイト島も取り上げなければ、片手落ちですね。ワイト島のコンサートというのは、1970年8月28日から3日間、イギリス南部のワイト島で行なわれたロック・フェスティバルのことで、いくつかの印象的な出来事がありました。まず、プログレ・ファン必修のEL&Pが、ここで実質的デビューを飾ったこと。そして、ジミ−・ヘンドリックスが8月30日に出演し、このわずか三週間後の9月18日になくなったこと、ほかにもムディ−・ブルース、テン・イヤーズ・アフター、ボブ・ディランなど豪華な顔ぶれで、楽しませてくれます。若い頃のEL&Pを見るだけでも価値があると思います。こちらは現在、ビデオCDが用意されています。



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