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 はくちゅうむ


白 昼 夢


朔風に煽られて飛ぶ
ほんの微かな光り
地を離れていく
ただ漂うだけの弱い意志

せせらぎを渡るように
流れに乗る
なすがままに導かれ誘われ追いかけていく
誰かの背

眼前の影が退いたとき視えた
白虎
光をまとう獣
輝ける毛並みに覆われた体躯

まばゆい光
雲を貫いて届く

あふれんばかりの光
自分を貫いて広がる

跡形も無く
余韻だけが鼓膜叩いて

飛び交う無数の蝴蝶
そのひとつが自分のなかへ消えていく
はじけんばかりの
光りのなかへ

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