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緑 ろくしょうあらわれえぬすんだつま
緑 青 現 れ 得 ぬ 澄 ん だ 端
触れただけで崩れそうな脆さでも
近づくだけで消えそうな仕種でも
無かった
未踏の地を囲う壁頑に拒絶する硬そうな扉
音も熱も光も 言葉もうたも伝わらず
ただ知るは花のいろカラスビシャクの名のもとに
左右に二つ
片帆がはだかって いって
内側へと誘うように奇勝が広がる
珍しく優れた景色が、どこまでも
余分なものは無い
息を吸うために不要なものは、どこにも澄み渡る空、澄み切る風、澄み潜む土
振り返り見れば澄み透る壁、葉づるの多く這う
そのどれもが新鮮で
古ぼけていなくて
錆ついていなくて
生まれたてのように幼くて触れただけで崩れてゆく脆さでも
そうと知らずにいられたら
何も知らずに生きていけたら未踏の地を囲う、澄み透る壁
ただ知るは花のいろ
だから永遠を知らない
いつか、近づくだけで
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