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藤 とうかさきわたすはまおもて
藤 架 咲 き 渡 す 浜 傍
穂の香にただよう
仄淡い匂い
個々の花冠のこすれる音に風戦ぐ
個々の花冠のこすれる音に時止まる
仄明り辺り満ち満ちて
永久とこしなえを結ぶ浜江の奥のその奥に うち出づるは昇る階きざはし
ひとつ、またひとつ段を重ねてゆく
垂れ下がる蔓のしなやかなること
膨らかなる蕾の ひとつ、またひとつ
不死を重ねてゆく仄花に称う
帆の淡い匂い
逝く先を徴す蔓を追う
不死の葉菜咲き満たす階を昇る[碧]<<<back [蒼天ノ箱庭] TOP next>>>[血]