ウランちゃんのなるほどアトム教室

柏崎刈羽原子力発電所に大きな影響を及ぼした新潟県中越沖地震は、活断層によるものと言われていますが、活断層とはどのようなものですか?


アンサー
活断層とは、近い将来活動するおそれのある断層のことで、活動した場合には地震が発生することを意味しています。

内陸地震は地下の浅いところで断層が活動することによって発生します。このため、ある程度以上の規模の内陸地震では、地下の震源断層による岩盤のずれ(変位)が地表に表れます。この地表の変位を地表地震断層と呼んでいます。また、このような地震は、同じ場所で繰り返して発生しており、地表地震断層も同じ場所に出現し、地表での変位が累積されます。

比較的新しい地形や地層に断層による変位があり、古いものほど変位量が大きければ、過去に繰り返し断層活動があったと判断できます。このことから、その断層は近い将来にも活動する可能性が高いと推定されることになります。このような断層を活断層と呼んでいます。

原子力発電所の設計にあたっては、国の安全審査において、原子力安全委員会の定めた「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」に基づき、過去の地震や周辺の活断層に関する各種の調査を踏まえて想定される最大の地震や、さらにこれを上回る限界的な地震にも耐える設計であることの確認を受けています。

平成18年9月に改訂された同指針において、耐震設計上考慮する活断層の認定基準が、従来の5万年前以降の活動の有無から約8〜13万年前以降の活動の有無に変更されたこと等から、既存の原子力発電所において、これまでの地質調査を補完する調査をおこない、耐震安全性の再評価を進めていましたが、平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震で、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所においては、設計時の想定地震動を超える地震動が観測されました。

このため、国が事業者に対して、新潟県中越沖地震から得られる知見を耐震安全性の評価に適切に反映し、国民の安全を第一とした耐震安全性の確認を行うよう指示を行いました。東京電力(株)では、これまでの調査に加え、陸域の地下探査、海域の海上音波探査等の地質調査を実施することとしています。

活断層の成長