;; $Id: 00readme-namazu.jis,v 1.1.1.1 2008/03/12 10:53:39 makoto Exp $
;;
;; この file は contrib/mew-nmz.el の readme です。
;;

0. はじめに
 mew-nmz.el は Mew からの検索を Namazu を用いて高速化するための emacs lisp です。

 Mew の扱う MH 形式の folder と Namazu の INDEX を "一対一" に生成し、folder 単
位でINDEX を指定することによって、高速な検索と木目細やかな制御を両立しています。


1. 準備

1.1. 要求する Version
 以下に示す version のソフトウェア群が必要です。

・Mew    => 1.94b20 以降
・IM     => 990405(IM114) 以降
・Namazu => 動作確認は 1.3.0.6 以降で行ないました。
          Namazu に関しては http://openlab.ring.gr.jp/namazu/ を参照して下さい。


1.2. 設定
 1.1. に示したソフトウェアが単体で動作したら 'mew-nmz.el' をインストールします。
お好みで byte-compile しましょう。

 その後、~/.emacs に
(eval-after-load "mew" '(require 'mew-nmz))
を書き、各種変数を設定した後、再立ち上げしましょう。


2. 変数
 以下の変数をお使いの環境、趣味に合わせて下さい。なお、変数名の右(下)に示すのは
default 値です。

● mew-nmz-index-path "~/Namazu"
   mew-nmz-index-mail "Mail"
   mew-nmz-index-news "News"

 Namazu の INDEX を作成する directory を指定します。default 設定なら、例えば、

  "+inbox" => "~/Namazu/Mail/inbox"
  "+ml/mew-dist" => "~/Namazu/Mail/ml/mew-dist"
  "=fj.editor.emacs" => "~/Namazu/News/fj.editor.emacs"

 に INDEX を作成します。


● mew-nmz-use-fast-pick t

 't' にすると mew-nmz-search(), mew-nmz-virtual() において、可能な限り emacs
lisp で summary を作成します。'nil' にすると、いつも IM を用いて summary を作成
します。


● mew-nmz-use-backslash nil

 Win32 な人は 't' にして下さい。なお、OS/2 は動作確認が取れていないのですが、't'
で動くかもしれません。


● mew-nmz-prog "namazu"
   mew-nmz-prog-args '("-aS")

 Namazu のプログラム名と引数を指定します。


● mew-nmz-db-max 64
   mew-nmz-query-max-length 256

 Namazu 動作時の環境を指定します。それぞれ、namazu.h の 'DB_MAX' と
'QUERY_MAX_LENGTH' と同じ値を指定します。
 ただし、'Namazu 1.3.0.6 以前' をお使いの方は、mew-nmz-db-max に (- DB_MAX 2) の
値を指定して下さい。


● mew-nmz-prog-mknmz "mknmz"
   mew-nmz-prog-mknmz-args '("-uUhP")
   mew-nmz-prog-mknmz-include "~/Namazu/mknmz-inc.pl"

 index を作成するプログラム名と引数を指定します。mew-nmz-prog-mknmz-include で示
されるファイルは mknmz 時にインクルードされます。このファイルには

## Namazu 1.3.x なら
$SEARCH_FIELD = "Message-Id|Subject|From|Date|Url|Newsgroups|To|Cc|In-Reply-To|References";

## Namazu 1.4.x なら
$conf::SEARCH_FIELD = "Message-Id|Subject|From|Date|Url|Newsgroups|To|Cc|In-Reply-To|References";

の様に書いておくと、Namazu で使用できるフィールド検索項目を増やすことが出来ます。


● mew-nmz-prog-gcnmz "gcnmz"
   mew-nmz-use-gcnmz-folders '("+inbox")

 mew-nmz-mknmz-all-folders() 実行時に gcnmz するプログラム名と対象 folder を指定
します。

 mew-nmz-prog-gcnmz => nil なら gcnmz しません。
 mew-nmz-use-gcnmz-folders => t なら すべての folder で gcnmz します。


● mew-nmz-mknmz-skip-folders
           '("+trash" "+draft" "+draft/mime" "=draft" "=draft/draft")

 mknmz しない(INDEX を作らない) folder を指定します。


● mew-nmz-mknmz-skip-news t

 local news folder の INDEX を作らないとき 't' にします。


● mew-nmz-mknmz-use-mode-line t
   mew-nmz-line-id '("Mew(nmz): %7b")

 INDEX を作成中の folder の summary buffer の mode line をちょっとだけ変えます。


● mew-nmz-pick-default-field nil
   mew-nmz-pick-field-list
            '("+subject:" "+from:" "+to:" "+newsgroups:" "+date:"
	      "+message-id:" "+cc:" "+in-reply-to:" "+references:")
   mew-nmz-pick-gather-field-list
            (list (list mew-from: 'address "+from:" "+to:" "+cc:")
		  (list mew-to: 'address "+from:" "+to:" "+cc:")
		  (list mew-cc: 'address "+from:" "+to:" "+cc:")
		  (list mew-message-id: 'msgid "+message-id:" "+in-reply-to:" "+references:")
		  (list mew-in-reply-to: 'msgid "+message-id:" "+in-reply-to:" "+references:")
		  (list mew-references: 'msgid "+message-id:" "+in-reply-to:" "+references:"))

 Namazu の検索パターンを入力するときの各種設定です。
mew-nmz-pick-field-list に設定されたものが補完として使用できます。

 また、mew-nmz-pick-gather-field-list を設定すると、現在表示している Message か
ら情報を集めて補完候補として使用します。mew-nmz-pick-gather-field-list => nil と
するとこの機能を抑制します。各 cell の

 第1cell => 情報を収集する Header の指定。
 第2cell => Header 内容の加工。'address と 'msgid が使用できます。
 第3cell以降 => 補完出力するときにつける prefix。

をお好みで指定します。


● mew-nmz-mark-unindexed mew-mark-review

 mew-nmz-mark-unindexed() するときに使用する mark の種類を指定します。


● mew-nmz-use-namazu-el (locate-library "namazu")
   mew-nmz-namazu-full-window t

 Mew から namazu-mode を使用するときに設定します。Namazu に contrib されている
namazu.el が load-path 上にあれば、自動的に使用できるようになります。


3. ユーザインターフェース関数
 mew-nmz.el の使い方です。関数名の右側は標準の key bind になります。

3.1. INDEX の作成、支援関数

● mew-nmz-mknmz() "zm"

 指定した folder に対して Namazu INDEX を作成します。"C-u" 付きで実行すると、現
在の INDEX を消去してから Namazu INDEX を作成します。


● mew-nmz-mknmz-all-folders() "key bind なし"

 すべての folder に対して、Namazu INDEX を作成します。初めて INDEX を作成すると
きは長時間必要となり、その間 Emacs が使えなくなるので注意して下さい。"C-u" 付き
で実行すると、folder 情報を update してから INDEX を作成します。


● mew-nmz-mark-unindexed() "zu"

 現在の folder で INDEX が作成されていない Message を mark 付けします。


3.2. 検索、表示関数

● mew-nmz-search() "z/"

 指定した folder を Namazu を用いて検索し、summary buffer を再構築します。このと
き、'mew-nmz-use-fast-pick => t' なら emacs lisp を用いて summary buffer を再構
築します。'mew-nmz-use-fast-pick => nil' 及び "C-u" 付きで起動すると、imls を用
いて summary buffer を再構築します。


● mew-nmz-search-mark() "z?"

 指定した folder を Namazu を用いて検索し、mark 付けします。"C-u" 付きで起動する
と、region 内の Message を検索対象とします。


● mew-nmz-virtual() "zV"

 指定した複数の folder を Namazu を用いて検索し、virtual folder を作成します。フォ
ルダの指定を '*' で終了すると、'*' の前までに合致するすべての folder を検索対象
とします。例えば、以下の様になります。

 '*' => すべての local folder を検索する。
 '+*' => すべての mail folder を検索する。
 '+ml/mew-*' => '+ml/mew-dist', '+ml/mew-win32', '+ml/mew-dist/old' 等を検索する。


● mew-nmz-namazu() "zN"

 mew-nmz-virtual と同様の指定を行うと、検索結果を "namazu mode" で表示します。
この検索方法は Namazu に同梱されている "namazu.el" をインストールしないと使用で
きません。すでに "*namazu* buffer" が存在すると、"zN" は、その buffer を表示しま
す。検索をやり直したいときは、"C-u" 付きで mew-nmz-namazu() を起動します。

 このとき、検索対象 folder として、mew-nmz-db-max よりたくさんの folder を指定す
ると、mew-nmz-db-max 個以上の folder は無視されます。

 "namazu mode" で "m" を押すと、Mew を呼出して対応する Message を表示します。"M"
を押すと "namazu mode" を呼び出した folder に戻ります。その他の設定やキーバイン
ドなどは "namazu.el" の設定に依存します。


● mew-nmz-search-parent() "z^"

 表示している Message の *親* message を検索し、表示します。"C-u" 付きで起動する
と *子* message を検索します。

 *親* message を検索するときは、その message の "In-Reply-To:" か "References:"
に示される Message ID を "Message-ID:" に持つ message を検索します。

 *子* message を検索するときは、その message の Message-ID を "In-Reply-To:" か
"References:" に持つ message を検索します。


3.2. virtual mode のおまけ

● mew-virtual-original-message() "zj"

 virtual folder において、表示している Message の実体の folder、number を表示し
ます。"C-u" 付きで起動すると、実体のある場所に jump します。


4. INDEX の作成支援
 いつ INDEX を作成するか、更新するか、とても悩ましいところなので、それらをサポー
トする関数です。~/.emacs に書いておくと *ある程度* 自動で INDEX を作成しますが、
system に多大な負荷をかけるものもありますので、お好みに合わせてお使い下さい。


;; inc した後に勝手に mknmz する。message のある無しは、おもいっきり環境依存な
;; 判定方法。
(add-hook 'mew-summary-inc-sentinel-hook
	  '(lambda ()
	     (if (functionp 'current-message)
		 (let ((msg (current-message)))
		   (if (string-match "^No" msg)
		       ()
		     (mew-nmz-mknmz (mew-inbox-folder))))
	       (mew-nmz-mknmz (mew-inbox-folder)))))

;; pack した後に勝手に mknmz する。INDEX の remove 付き
(defadvice mew-summary-pack (after mknmz-pack-folders activate)
  (mew-nmz-mknmz (mew-summary-folder-name) t))

;; sort した後に勝手に mknmz する。INDEX の remove 付き
(defadvice mew-summary-sort (after mknmz-sort-folders activate)
  (mew-nmz-mknmz (mew-summary-folder-name) t))

;;;; mew-summary-exec の後に mknmz して、index を最新に保つ。
;;;; 多大な負荷を system にかける。
(defvar mew-nmz-refile-folders nil)
(make-local-variable 'mew-nmz-refile-folders)

;; summary-exe する前に情報を収集する。
(defadvice mew-summary-exec-region (before get-refile-folders activate)
  (save-excursion
    (save-restriction
      (narrow-to-region beg end)
      (goto-char (point-min))
      (let (msgs)
	(setq mew-nmz-refile-folders nil)
	(setq msgs (mew-summary-mark-collect
		    mew-mark-refile (point-min) (point-max)))
	(if (or msgs
		(mew-summary-mark-collect
		 mew-mark-delete (point-min) (point-max)))
	    (setq mew-nmz-refile-folders (list (mew-summary-folder-name))))
	(if msgs
	    (mapcar '(lambda (msg)
		       (mapcar '(lambda (fld)
				  (setq mew-nmz-refile-folders
					(cons fld mew-nmz-refile-folders)))
			       (cdr (assoc msg mew-summary-buffer-refile))))
		    msgs))))))

;; summary-exe した後に勝手に mknmz する。
(add-hook 'mew-summary-exec-hook
	  '(lambda ()
	     (let ((flds mew-nmz-refile-folders))
	       (setq mew-nmz-refile-folders nil)
	       (if (null flds)
		   ()
		 (while (car flds)
		   (mew-nmz-mknmz (car flds))
		   (sit-for 1)
		   (setq flds (delete (car flds) flds)))))))


5. その他
5.1. INDEX の大きさ、作成時間など
 手元のマシン(SS-20/M-152, SUNOS 5.4)では、このようになっています。

(length mew-folder-alist) => 119

% du -ks ~/Mail/
302757  /home/shirai/Mail

% du -ks ~/Namazu/Mail/
158939  /home/shirai/Namazu/Mail

 INDEX が何もない状態で M-x mew-nmz-mknmz-all-folders すると約8時間、Update 目的
で M-x mew-nmz-mknmz-all-folders すると10〜20分かかります。


5.2. 謝辞
 Takeshi ITOH <titou@bits.co.jp> さんが

伊藤さん> (2)フォルダ毎にDBを作る
伊藤さん>   - 各フォルダに DB を作る。
伊藤さん>   - namazu は複数 DB に対応しているのでフォルダ指定の検索も簡単。
伊藤さん>   - DBの一覧は C-u Z のときに作る?
伊藤さん>   - DBの更新が面倒になる?

とおっしゃっていただけなかったら、mew-nmz.el はおかしなものになっていたでしょう。
また、imls の変更はほとんど伊藤さんのものの見よう見まねで作りました。感謝、感謝
です。

 バグレポートを下さったり、改善要望を下さった方々もありがとうございます。
当然、Mew や Namazu をお作りになられているすべての方々にも感謝です。(__)

;; end here.